草原にて 
服部 剛

草原の何処に埋もれたかもわからない 
薄荷草はっかそうの薫りを吸い込めば 
いつしか血の気は引いて来て 
遠い過日に、栗毛の少女が立っている 

もし、あなたがたった一人 
追想の草原に立ち 
目の前の情景を 
霞の幕が覆う時 

こちらに歩いて来る 
幻のひとは、誰でしょう? 

草原を、はしゃいで駆けた 
あの頃 
地上は僕等の、天国でした。 





自由詩 草原にて  Copyright 服部 剛 2010-11-23 22:33:25
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