もう一度
ミスフライハイ

あの夏の終わり
それぞれの心に鍵をかけて
僕らは別れた
積み重ねた思い出は
壊すことも
ましてや忘れることもできなかったから
鍵をかけて封じ込めるしかなかった

ふたりで泣いて
さようなら

幼い恋だった


あれから十星霜
僕はまだあの日のまま
スーツや敬語で武装してはいるけれど
きみとの記憶に鍵をかけたあの日の少年のままだよ
中途半端な恋愛を繰り返して
最後には
きみとの思い出を超えられずに
逃げる

ねえどうしたら
大人になれるのかな
これ以上誰と出会えば
きみに逃げずにすむようになるのかな
時間を戻せるのならば
きみは何処に帰る?

僕はあの夏の日に
きみと泣いたあの別れの時間に
今度は僕だけが泣けばいい
きみを絶対に泣かさないよ
すべてをかけてきみを守る

きみの寿命が尽きる日が
こんなに早く訪れること
あの日に知っていたならば


自由詩 もう一度 Copyright ミスフライハイ 2010-11-22 04:29:04
notebook Home