そら耳
かんな



水平線に身をゆだねて眠っている
海面は揺りかごのようにゆらゆらと子守唄をうたう
水温はいくらかぬくもりを帯びてわたしを包む
羊水、とは確かにちがう
わたしと海の関係は、母と子という繋がり以上に
どこかで飽和してしまっている
貝殻に耳をすますとわたしは呼吸を止め
海のことばを聴いているふりをする




自由詩 そら耳 Copyright かんな 2010-11-20 01:50:09
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