哀愁
森の猫

どうして
秋の晩は
うらさみしいのだろう

年を重ねるごとに
どんどん
さみしがりに
なっていくように
思う

父と母と双子の兄
4人の食卓は
いつも話し声で
にぎやかだった

悩みごとも
母に相談できた

でも
あたしは
ちいさい頃から
ひとり遊びがすきだった

母の三面鏡の前で
自分を鏡に映して
歌ったり
話しかけたり

ひとり石蹴り
ひとりで林の探検
ひたすら自転車で
中仙道を北へ走る

今は
愛する3人の子供たち
無口でも大きな夫

娘は煮物を作るようになり
息子はあたしの欝を心配し
末娘は兄の介護を手伝う

欲張りなのだろうか

  哀愁を払しょくするには思想が必要である

と 学んだ

あたしには
それが
足りないのだろうか

季節のせいなか
病のせいなのか

寂しさを片手に
今晩も焼酎を飲む


自由詩 哀愁 Copyright 森の猫 2010-11-20 01:05:46
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