十一月の窓
オイタル
愛されていないから
悪ぶっているのだ
などとは
二股の枝が裂けてもいえないな
悪だから
ワルなんだよ
立ったままなのに
寝転んでいるような気がする
耳の奥で冬間近の電線が
風切る音がする
十一月の窓には
輪郭の鮮明な雲が行儀よく並んで
耳のよじれた熊や
フックの先端が天井を向いたプルタブが浮かんでいます
こんなに空がきれいだと
愛されなくてもいいのかな
ちょっと出かけてみて
今日の痛かったことを少しずつ思い出して
毒を薄めながら
交差点の歩道でぼんやり立っているのも
ありかな
なんて思ってしまう
愛されない子を
横からすばやく愛するのは
ありですか