十一月の窓
オイタル

愛されていないから
悪ぶっているのだ
などとは
二股の枝が裂けてもいえないな
悪だから
ワルなんだよ

立ったままなのに
寝転んでいるような気がする
耳の奥で冬間近の電線が
風切る音がする

十一月の窓には
輪郭の鮮明な雲が行儀よく並んで
耳のよじれた熊や
フックの先端が天井を向いたプルタブが浮かんでいます

こんなに空がきれいだと
愛されなくてもいいのかな
ちょっと出かけてみて
今日の痛かったことを少しずつ思い出して
毒を薄めながら
交差点の歩道でぼんやり立っているのも
ありかな
なんて思ってしまう

愛されない子を
横からすばやく愛するのは
ありですか


自由詩 十一月の窓 Copyright オイタル 2010-11-18 23:10:22
notebook Home