ふわふわと光る玉の話
たもつ

 
 
光る小さな玉が
ふわふわと三つ
それぞれに適度な引力を持ち
時にはふわふわと引き合い
ふわふわと離れ
角もないのに接触した拍子に
傷をつけ、傷をつけ合い
そうかと思えば
光が曇って震えていると
互いに寄り添い
あるいは遠くから見守るように
ふわふわと
ただふわふわと
それらを命と呼ぶのか
魂と呼ぶのかわからないけれど
適度な距離を保って歩く
ままごとみたいだと笑われても
三人きりの家族であった
 
 


自由詩 ふわふわと光る玉の話 Copyright たもつ 2010-11-16 21:39:07
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