フェイク
涼深

雨に濡れた頬も現実味を失い

胸に残る
鋭さを増した痛み
確かな傷痕

手の届かない方へ消えていく
長く伸びた影に
小さくさよならを


世界を欺いて
偽物の愛に
身を焦がしたフリ

心の奥底に息づく
柔らかな熱は
君がくれたもの


此処にいるよ
また夜が来たって
月の光さえ届かなくなったって

全神経が
追いかける
求める
満たされる

君が笑ってくれるなら
それで充分


自由詩 フェイク Copyright 涼深 2010-11-16 00:51:51
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