初冬の夜空に歌ううた
恋月 ぴの
背のちっちゃな女の子
男好きのする笑顔が印象的で
逢う度に違う男の子と一緒だった
背のちっちゃな女の子
いつも彼氏の背中に隠れてた
風が吹けば彼氏の体を風避けに
雨が降れば彼氏の差した傘を独り占め
自分で自分を守らない
守れない
それが女性らしさと思ってた
泣いてしまえば全てが赦されると思ってた
季節って漫然と繰り返しているようでそうじゃない
寂しげな老犬が人恋しさに振り向いたとしても
今年の秋は今年限りと足早に過ぎ去って
背のちっちゃな女の子
今どきのポンチョにミニスカートはお似合いで
いつものようにお勘定は彼氏持ち
お先にとひとり出てきた軒先で初冬の夜空見上げれば
満天の星星瞬いて
そろそろ足元を見つめ直しては
誰かがそんなこと囁いてくれた気がしたけれど
背のちっちゃな女の子
気にも留めず彼氏の背中にすがりつく