海へ ‥Ⅱ
アラガイs

(小舟)


季節の風がわたしを追い越してゆく
夏のてまえで緩んだロープを解いてしまいました
桟橋に浮かぶ小舟はぷかり〜ぷかりとながされ
もう後戻りはできません

あなたから両手を離したように
宛てもなく先の見えない水平線を揺れています
嵐を乗り越えまた来る季節の変わりめに
どこか遠い島へと辿り着けるのでしょうか

いま、かもめが光りを目指して帰ってゆくのは
力強いからに他なりません
たとえ弱々しくも潮のながれがある限り
波にこの身を任せています
すべてを海に捧げるように




自由詩 海へ ‥Ⅱ Copyright アラガイs 2010-11-15 13:31:52
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