甘い光
あ。
舐め取ってしまいたかった
肌に忍び込もうとする熱を
流れる川に見える反射を
足元に伸びる影の創造主を
(つまり、光を)
一見しなやかに見えるそれらの正体は
水あめみたいに重くどろどろとしていて
もしも味わうことができれば
きっと、何も考えられなくなるほどに
甘ったるい糸をひくねばっこい膜が
包み込んでしまうのだろう
気管を、脳髄を
(名前も知らない、奥のほうまで)
結局
じたばたする間もなく夏は
終わっていくのだろうけど
せいぜい
かき氷で染まった赤い舌を出すのが関の山だと
わかっているのだけれど
(甘い光は、回帰するのか)