甘い光
あ。

舐め取ってしまいたかった


肌に忍び込もうとする熱を
流れる川に見える反射を
足元に伸びる影の創造主を


(つまり、光を)


一見しなやかに見えるそれらの正体は
水あめみたいに重くどろどろとしていて
もしも味わうことができれば
きっと、何も考えられなくなるほどに
甘ったるい糸をひくねばっこい膜が
包み込んでしまうのだろう
気管を、脳髄を


(名前も知らない、奥のほうまで)


結局
じたばたする間もなく夏は
終わっていくのだろうけど
せいぜい
かき氷で染まった赤い舌を出すのが関の山だと
わかっているのだけれど


(甘い光は、回帰するのか)


自由詩 甘い光 Copyright あ。 2010-11-14 23:55:09
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