生きる
吉岡ペペロ



こんど病院にいったとき

ぼくは余命をつげられるだろう

下腹部にこんだけ違和感があれば

死んだことなんてなくてもわかる


現実としてそれを聞いてしまったら

ぼくはいったい

なにをやめなにをつづけなにをはじめるだろう

なんのために生きているのか

選択し決めなければならないのかな


まだまだいのちが続くふりをしながら

感傷てきにならないように

ひとを心配させないように

ぼくの死によって起こる混乱が

もっともちいさくおさまるように

ぼくは生きるのだろうか


それともあなたが言うようにして

あなたに甘えまくりながら

生に執着してゆくのかな


死んだらなんにもなくなるような気もするし

なにかが継続してゆくような気もする


なんでも楽しんでやろう

あらゆる感情を

あらゆる生理を

あらゆる思考や行動を


情熱を手放さずに死んでゆこう

それ、かっこよくないか?

なにも伝えきれなくても

なんとかなりたかったひとりの男が

さいごまで情熱を失わず

楽しんで生きたのだということを


ひとに影響を与えたいとは思わない

さいごに大芝居をうつ気もない

だれかに寄生したくもない

ラッキーだったと思いながら死んでゆきたい


こんど病院にいったとき

ぼくは余命をつげられるだろう

下腹部にこんだけ違和感があれば

死んだことなんてなくてもわかる


現実としてそれを聞いてしまったら

ぼくはいったい

なにをやめなにをつづけなにをはじめるだろう

なんのために生きているのか

選択し決めなければならないのかな


携帯写真+詩 生きる Copyright 吉岡ペペロ 2010-11-14 20:27:01
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