青空
ともちゃん9さい

若かったころひとりで
たいていひとりで

ひとりはひまなので
余計なことばかり気になって
寝転んで涙
耳に入ったまま起き上がって
肌がきれいな
童顔男子にひとめぼれ
それから

毎日
晴れていた

布団をほす
洗濯機をまわす
掃除機をかける
花を買う
たたみに寝ころがる
詩に書かない
代わりにカメラ
何枚でもカメラ
ぜんぶ青空がうつりこんでる

男子と夜
線路沿いをあるいた

今冴えているから
両思いをびりびり感じまくってる

今冴えているから
君の考えてることぜんぶわかってる



今冴えているから

すべて
大事

それだけ
それしか
びりびり
びりびり

そして
終わったんだけど

だって
雨が降るから
雨ならまだいい

くもりのしろに頭がおかしくなってしまいそう

布団おもたい
洗濯物たまる
掃除機めんどう
花かれる
たたみしめってる
詩に書いてしまう
カメラほこりかぶって
カメラの中にだけ青空がある

それだけ
それしか
びりびり
びりびり

すこし年をとって

毎日
天気はちがうけれど

特別冴えていないし
びりびり
びりびり
しないけれど
ひとりじゃない
寝転んで涙
耳に入ったりしない

けれどときどき

夜ささやく言葉とまなざし
あるくスピード
オリジナリティあふれるカラオケ
先に寝てしまうこと
おもしろすぎるメールの返信
自転車ふたり乗り
返してない本とCD
眠らなかった朝と空気
おいしい洋食屋さん
音楽のまほう
じょうずな散歩
今も読みつづけてる小説
書けないこといっぱい
そして青空

毎日青空
晴れてばっかりだった

はずはないのに

青空の写真なんて
はじめからないのに

思い出して

きっと君はとっくにわすれてて
思い出はわたしだけのものだ
君よりも
ずっと
ずっと
いとおしい
青空
みたいな青だ


自由詩 青空 Copyright ともちゃん9さい 2010-11-12 22:47:49
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