電車、みじかいスカート
はるな
ふたつで1パックの太もも 紙コップのうすいコーヒーの温みで時間を計り からだをしめらせてうそをかくす たくさんのうそがドアーにはりついている そして地面が壊れはじめる 受け止められずに 受け流せずに 逃げ切れず 断ち切れず やがて風が壊れはじめる 不安はかたちを持っている それに触れる 均衡ははじめからない あしもとを海が逃げてゆく ものごとは浮遊しはじめる うそがはりついている かたちが濃くなる 陰は隠される 息が深くなる 森が深くなる 額にしげる素敵な森がどんどん深くなる 謝罪があふれる 水は汚れている 温みは立ち去り 人間が増える うそは明るくなる 明かり におい 感触 この夜に 会わないでいられたら もう二度とあわなくて済む たぶん … 両極の箱庭を みなくて そして