先生の鍋
あいこ


煮詰まった鍋の中で ふつふつと ぐつぐつと

音が響くたびに頭が痛くなる 冬の糸のきりきり

あたしは新しいブーツを汚したばっかりで

電器ヒーターの埃にむせかえる

だけど先生は私の事なんか目になくって

ホワイトボードの前で淡々とXの答えを求めてる

ひえきった窓に 好き と書いても

気持ち悪い女の子になるだけだし

メールで 好き と送っても

気が狂った女の子になるだけだし

先生のスーツの後ろ姿が やけに愛しい雪の日は

頭のなかであの煮え返った鍋がうかぶ

全然関係はないけれど 先生の鍋。

よくわかんない。

とにかく好き!!ごめんなさい!!


自由詩 先生の鍋 Copyright あいこ 2004-10-24 19:07:30
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