狸と狐の尻尾
アラガイs


一幕

ブーツをひとつ無くしたら背中から刺すのね
裸足になればいつか崖から墜ちるのを待っていたんだろう
狸のお腹のように食べ過ぎて
堪えきれなくなるから依存するわたし
いまに肩がはずれて寒気がするのはわかっていたよ
(もう少し我慢すればいいのに‥)
世の中にも 自分自身にも 蜂の巣をいつまでも塞いではおけないからね
甘いのもはじめだけだから
やっぱり苦いのよ
甘酸っぱさに苦味が加わって
ゆっくりと変化の兆しが表れてきたら
もう手遅れね
みんな狂ってしまうのよ
涙も見せずに泣いているものだから
片足をもぎ取る気だろう
(自分の弱さを知らない‥)
わかってるさ
小さな傷痕も年をとれば伸びてきて
ただ
めんどくさいね
そろそろ目の前から消えてくれないかなんて
尻尾を隠す様に
そう思っているんだろう







自由詩 狸と狐の尻尾 Copyright アラガイs 2010-11-10 02:15:16
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