猫のひげについての考察
遠藤杏
うちには一匹の猫がいまして、四六時中一緒にいるわけなので、猫のパーツというパーツをいつも凝視して観察に明け暮れている毎日なんですが、ちょっとこれは、と思うことがいくつかあります。その中でも猫のひげというものには大変興味をひかれる事が多く、ひげを重点的に観察してみると、いろいろなことが明らかになりました。まず猫のひげというのは口と鼻の間のふくらんだところに二カ所生えています。うちの猫は根本が黒くてあとは白のひげです。それとよく見ると目のサイドの部分にも申し訳程度にちょろっと生えています。これは何のために生えているのか未だに謎です。猫は興奮すると瞳孔が開いたりシッポをブンブンにふくらませたり、色々な行動をしますが、ひげも興奮すると孔雀の羽のように広がって、一本一本が強く太く見えます。この時ひげの想像以上の長さに驚きます。まるでアザラシのようなのです。わたしはこの存分に興奮した時のひげが大好きでこれ見たさに興奮させたりして、ひげの鑑賞を楽しんでいます。逆に寝ている時やテンション低めの時は、扇子のように折りたためられぴったりと顔に沿っています。触ってみても以前の興奮状態の時とは違う、なんとも芯のないかすかすの毛質なんです。猫のひげというのは定期的に抜け落ちるらしく、ふっと絨毯の上を見るとひげが一本落ちている時があります。そのひげをよく観察すると根本部分が黒いんですが、そこの黒い部分がものすごく太くて硬いんです。思ったよりもしっかりしていた毛根に感動し、集めてしまっていますが何に使うんでしょうか。うちに来てから1年で5本のひげが抜けているので、そんなに頻繁にお目にかかれるものじゃないみたいですね。
これからも観察を続け、どうしてひげは抜け変わるのか、など課題がたくさんあるので調べていきたいです。