ひび割れたコンクリートの上で彼と彼女は
亜樹

ひび割れたコンクリートの上で彼と彼女は

10年前からあるようなありふれた言葉で罵り合って
100年前に流したのとまったく同じ塩辛い涙を流して
1000年前から進化してない古びたやり方で許しあって
10000年前の見知らぬ誰かをなぞるようにKissをしていた。



 くりかえしくりかえし
 この星が見てきた中で
 罵りあい
 涙を流し
 許しあって
 Kissをする
 彼と彼女は
 何番目の詩人で
 何人目の罪人だったのか。



ひび割れたコンクリートの上で彼と彼女は
飲み込んだ赤い実を
喉に詰まらせたり
胸に溜め込んだり
そんなことを
繰り返しながら、

100000年前から決まっていたことのように
憎んだり
苦しんだり
愛したり、している。


自由詩 ひび割れたコンクリートの上で彼と彼女は Copyright 亜樹 2010-11-04 21:27:36
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