ヴァンパイア
未有花

永遠が何だって言うんだろう
そんなことを考える暇があるなら
今すぐこの喉の渇きを癒して欲しい

君の首筋に咬みつきたい
それが僕のすべてさ

暗闇の中で求め続けるもの
それはこの喉を潤してくれる血だ
僕を生かしてくれる生き餌だ

それさえあれば僕は救われる
時がどれほど流れようと
そんなことは大したことじゃない
どんなに永く生きていようが
そんなこと僕には関係ないことだ

ただ欲しいものは
君の首筋からほとばしる赤い血だけ
この指先から滴り落ちて行く
あふれるほど鮮烈な
赤い血が 血が欲しい!

求めるものはいつだって変わりはしないんだ
永遠が欲しいなら
好きなだけくれてやるだけさ
僕は本能の命ずるままに
生きている化け物なのだから

さあ その首を差し出しな
今こそ血の洗礼を
もうこの僕から逃れることはできないよ

君の首筋に咬みつきたい
それが僕のすべてさ


自由詩 ヴァンパイア Copyright 未有花 2010-11-04 09:23:46
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