乾いた少女達
山人
少女達は駅の回りでたむろしていた
少女達は皆乾いていた
全てのものが無機質な情景の中で
既に前からそこに居たように乾いていた
見えない虫の魂がボウと浮かび上がり
それはまるでカゲロウのように切ない
時代が怪物のようにゆっくりと動き出していた
全てが病み
あらゆるものがあらゆる事柄に飽きていた
私も同じように乾いていた
まるで湿り気を帯びていない骨や肉を
軋ませながら動いているにすぎなかった
私が乾いているから少女達も乾いて見えたのだろう
そう思いたかった
少女達はモノクロームのチラシのように
あちらこちらに散乱し引き千切られている
時代の老廃物とともに外に弾き出され
皆乾き切ってしまっていた
回りの情景は少女達と同化し
皆それぞれただ時を止め
やはり乾いていた