木漏れ日
砂木

終わりの果てだと 葉っぱのふち
緑の雲を浮かべた陽気
体を掠めて靴の先で紐をとく

小さな精密が一生懸命
育てた木は また残る

根元に散らばる慈しみと親愛が
腐りはて かさかさに乾いて
どこかに飛んで行く

やっとひとりの小さなものに
なる事をゆるされた時
裸木のてっぺんから 
見送るまなざしに気付いた時

吹き飛ばされても吹き飛ばされても
帰りたい足元に
何処に落ちくびれても土の道をたどり

回る風の寒気が連れ去る
明日からは冬といいつける冷たさ
逆らいはしない 夜も来る

枯れ木をストーブにくべて
小さき葉っぱのような
かさかさの手を暖める


自由詩 木漏れ日 Copyright 砂木 2010-11-03 05:27:17
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