道‥(端)
アラガイs


地球にない道を僕はオルゴールとともに歩いている
そんなことを想い描いていると、うしろの誰かが遠い神秘な世界を指差しながら僕の小さな肩をポンとひとつたたいた。
「おまえの遊び相手は田んぼの蛙に道端の薊をさすらう蝶々だろ」
帰りの畑で立ち小便をしたらミミズにガンつけられてちんこが腫れた 。

身体じゅうの毛がむず痒くなると下半身の太さや大きさを見比べては品評会をしている 。
それはちょうど女の子の胸のふくらみが気になるころだ 。
田舎の学校から身体の大きな奴が砂山から下りてきては止まり木の上で旋回する蜻蛉を捕まえる 。
からだの大きな奴はいつも栗の木の匂いがした 。

卒業式も近くなると何故か女子の荷物が増えてきて、手にしたハンカチの匂いが、背中越しに透けて見える細く白いバンドからも漂ってきては、僕をクラクラさせる
増してゆく声の重さに男子たちが歌を苦しんでいるころ
女子たちは毛並みの揃ったカナリアの様に、一足はやくお姉さんになって飛んでゆく
そんな気がした。

まえの席に座る娘の首筋から甘酸っぱい乳の匂いがひろがってきて
僕は 少し毛の生えてきたちんこのあたりがムズムズとむず痒い 。
大人になるのは ひょっとしたらこういうことなのかな‥
みんなには 内緒にしてやろうと
‥ 僕は思った 。








自由詩 道‥(端) Copyright アラガイs 2010-11-02 01:27:40
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