夢を見た
kauzak
夢を見た久しぶりに
夢だから
起きてすぐ霧散してしまって
途切れ途切れにしか覚えていない
けれど
目覚める瞬間の光景だけは
辛うじて覚えている
四国だかどこかの地方都市
何処か懐かしい間口の狭い商店が連なった
商店街を歩いている
明るい昼間
僕と弟と親父で
行列の出来ている一軒の店
列が短くなったのを幸いと並んで...
何を買ったのだろう
店のおばちゃんから芸能人まがいの扱いを受けて
何かおまけももらって店を出ると
ちょっとの間にまた長蛇の列になっている
斜向かいのお店のおばちゃんからも
袖を引っ張られるけど軽くいなして
商店街をそぞろ歩く
ふと親父が
「この辺に○○○電機工業※って工場がある」
(※夢の中の話ゆえ名前は霧散して電機工業って言葉もあやしい
と言うから見回すと
道の右側に塀で囲まれた大きな敷地があって
その工場が閉鎖されたという看板が立っている
看板を指さして親父に告げると
驚いた顔をして「なくなったのか」と言う
工場は火災にでもあったのか一部が焼け錆びた姿を真昼の明るい太陽の下に晒している
のが
塀の向こうに見える
そのまま商店街を進むと商店が途切れ
瀟洒な日本家屋が続く街道になる
緩いカーブで下る坂にかかったところで
昼飯は何を食べようかと議論になる
弟が携帯でおいしい店を捜すと提案
焼肉の店がいいと意見が一致
したところで夢が途切れる
ぼんやりした頭で
そういえば親父はもういないんだと
気付くまで暫く時間がかかった