岸部のアルバム
花形新次

たったひとりでも生きて行ける
そんな強がりを言わないと
孤独に押し潰されそうで

雨は視界を遮るほど激しく
決して止みそうもなかった

ああ
ルックルックとは言わないけれど
せめて西遊記ぐらいにもどれたら・・・

心の隙間を埋めるのは
いつも懐かしさばかり
それでいいのかい?
シロー、このまま終わっていいのかい?

いいわけないさ!
誰かが叫んだような気がした

ジュリーのサイドを固めていた日々も
頭のお皿が輝いていた日々も
日テレの朝の顔だった日々も
すべて一冊のアルバムに閉じ込めて
増水した多摩川に
そっと浮かべる
「思い出よ、さようなら」と
小さく呟きながら


自由詩 岸部のアルバム Copyright 花形新次 2010-11-01 20:34:10
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パロディ詩