薔薇と睡眠薬
さつき

眠りの城に密かに隠された王女のように
すべては噎せかえるほどの薔薇の足下に

水たまりの中でひねくれた針は不規則に
まだらな時をゆっくり刻む

ひとひら、あるいは幾千枚
モノクロームの雨のように飲み込んで
長い無音の夢を


自由詩 薔薇と睡眠薬 Copyright さつき 2010-10-28 22:23:59
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