天使の舞い降りた夜
ヒヤシンス

喫茶店の窓から覗く
街の風景は
透明で美しい
ガラス細工のようだ。

道往く人々の足取りは軽く、
今宵のクリスマスイブの準備に追われる
幻想的な蜃気楼。

漂う煙草の煙に人々の心奥を探ろうとしても
真実は語られず、虚像のみが浮かび上がる。
この温かな一杯の珈琲だけが真実を語るのか。

店内に流れるオルゴールの音色に耳をすませば
安らぎの天使が幸福の星屑を僕らにふりかけ、
窓の外にも幸せに満ちた雪が降る。


自由詩 天使の舞い降りた夜 Copyright ヒヤシンス 2010-10-28 21:54:03
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