女とチョコと秋の空
さつき


女に頼る男ほど不甲斐ないものはない。
女に甘える女ほど不細工なものはない。


暖房の効きすぎた車内に長居することは
濃厚なガトーショコラをワンホール食べることに似ている。
もたれる。


些細な風にさえ頼りなく揺れる葉は、ヘリコプターの通り過ぎる音にも怯えた表情を浮かべる。
絶え間ない地響きと機械音のずっと向こう、弱々しい夕焼け空を、二匹の鳥がどこか急ぎ足で飛び去った。
剪定された木々は哀れな姿をしているが、しかしその根や内部に力を溜めながら冬を越え、
穏やかな春にのびのびと笑うことだろう。



自由詩 女とチョコと秋の空 Copyright さつき 2010-10-26 22:53:09
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