One Truth
さつき

大きな電気自動車に轢かれそうになりました。
凶暴な蛇に丸呑みされそうになりました。
太陽に炙られ干からびそうにもなりました。

昔物知りなトノサマじーちゃんが言ってたように
外の世界は危険がいっぱいでした。
昔過保護なウシばーちゃんが言ってた以上に
外の世界は怖いところでした。

すっかりボロボロになって、飛んだり跳ねたりできなくなって
暗いジメジメしたところで目を閉じました。

一週間が過ぎました。

1ヶ月が過ぎました。

一年が過ぎました。

いっぱいいっぱい過ぎました。

ようやくおそるおそる目を開いたカエルくんの目の前には
昔と変わらぬ青い青い空がどこまでも広がり、
初めて見るほど大きな大きな六色の虹が
ゆったりと、
遠い向こう岸まで伸びていました。


「井の中の蛙 大海を知らず
 されど、空の青さを知る」


自由詩 One Truth Copyright さつき 2010-10-25 22:08:08
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