One Truth
さつき
大きな電気自動車に轢かれそうになりました。
凶暴な蛇に丸呑みされそうになりました。
太陽に炙られ干からびそうにもなりました。
昔物知りなトノサマじーちゃんが言ってたように
外の世界は危険がいっぱいでした。
昔過保護なウシばーちゃんが言ってた以上に
外の世界は怖いところでした。
すっかりボロボロになって、飛んだり跳ねたりできなくなって
暗いジメジメしたところで目を閉じました。
一週間が過ぎました。
1ヶ月が過ぎました。
一年が過ぎました。
いっぱいいっぱい過ぎました。
ようやくおそるおそる目を開いたカエルくんの目の前には
昔と変わらぬ青い青い空がどこまでも広がり、
初めて見るほど大きな大きな六色の虹が
ゆったりと、
遠い向こう岸まで伸びていました。
「井の中の蛙 大海を知らず
されど、空の青さを知る」