秋の夜長に歌ううた
恋月 ぴの

明日はきっと晴れるよね

そう願わずにはいられなくて
ふと手を休め振り返る

自由気ままに暮らしてきた日々

愚痴っぽくなってみたり
ときには人恋しいくせして無口になってみたり

甘えん坊さんなのは判っているよ
でもね

その場しのぎってわけじゃないけど
あなたに想いを伝えられなかった後悔の念と

ひとりぼっちで仰ぎ見る秋の夜空は
絶え間なく行き交うヘッドライトの喧騒に揺れ
ポケットのなかで探り当てた温もりは
かけがえの無いほどに優しげな手触りだったのに

使い古しの雨傘じゃ、しのげるものもしのげやしない

日々伝えられる悲しみに涙したところで何になろう
日々伝えられる理不尽な出来事に憤ったところで何になろう

何ひとつ変わらない

変えようが無くて当然なんだと気付いたとしても

感傷まじりな夜の眼差しは
遥か遠く旅立ってしまったあなたへの想い







自由詩 秋の夜長に歌ううた Copyright 恋月 ぴの 2010-10-25 20:33:39縦
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