ピカリン
イシダユーリ
鳥のはばたきに
まばたきを
する
そのときの
渇きを
おとそうと
その丘に
細い針を
刺す
みな水
ならば
乳首にも
臍にも
飲んでもらえばいい
消えうせる
突起も
穴も
もりあがった
何度目かの
皮膚
だと
信じる
石に
一字ずつ
の
手紙を
書いて
いつか
それを
すべて
なげつけて
君を
殺そうと
思っていても
はじめのころの
順番が
くるってしまって
唯一
覚えている
3番目は
どこにも
みあたらない
結局
ひとつも
文字を
解さないで
君は
死ぬのだから
いいけれど
一生
だれのことも
受け入れないで
いればいいじゃないか
勝手にしろよ
と
からだが
電車の下に
はいりたがるとしても
本当は
寂しいんだ!
と
けたたましく
サラリーマンが
闊歩する
としても
思い込みだ
いち、ひとのーことはーわかんないー
に、みんなーおどらされてーにくがーけずれているねー
さん、けずれたーにくーだけがーまざるー
よん、しゃかいはーかみしばいー
血は
トマトケチャップだ
どれだけ
捨て台詞で
えぐるかだけを
いつも
考えている
血は
トマトケチャップだ
おれには
関係ないことだ
どれだけ
あの鳥が
白かったか
どれだけ
きみの皮膚が
よく
すべったか
それだけが
あって
ほかは
ぜんぶ
トマトケチャップ
だった
なまなましいことは
ぜんぶ
いーち、
にいー、
さんー、
よーん、
し、
自由詩
ピカリン
Copyright
イシダユーリ
2010-10-24 23:51:06