じゃがいも
アラガイs


砂と瓦礫の上、子供たちが石のような目をしてそれを投げ合うとき
わたしはぼんやりと胃凭れ気味な朝を迎えます。
やわらかくなめらかな肌にすりつぶして、塩コショウとマヨネーズをかけてそれを食します 。
荒れ地の上、じゃがいもは空を飛びます 。
少々毒気があるから強いのです 。
キュウリ玉ねぎハムバター。人にやさしいね ポテトサラダは。
(それでもむかし、アイルランドで疫病を患い絶滅しかけたとき、七つの海を越えて見事に根付きましたよわたし) 。

泣きません。
煮ても焼いても擦り潰しても
いつでもどこでも素朴な大地に耐えてきた。
ごつごつしたそのじゃがいもは
貧しい働く者の食べ物なのです 。







自由詩 じゃがいも Copyright アラガイs 2010-10-24 05:08:32
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