たった4日で
森の猫

風邪を引き発熱
いつもの常用薬を取りにいけない

本人でなくては
許可がでない薬

1日目なんとか
パキシルを残して
抗ウツ剤1錠で乗り切る

2日目 パキシル1錠のみ服用
風邪の症状は市販の薬で治まった

3日目 またシャワーを浴びた後
また発熱 喉が渇く
たまらなく 熱いくちびる 口内

4日目 脳内メチャクチャ
足はふわふわと宙を歩いているようだ
熱も再び 頭痛がひどい
思考能力低下 
苦しい

5日目 少し熱が引いて
頭もふらふらしない
まず 抗ウツ剤を手に入れなきゃ

主治医の曜日ではないが
病院へ

コンビニでキャッシュを降ろす
暗証番号がなかなか出てこない
お札を持つ手が震える

なんとか診察終え
薬局へ
ココで 持っていた
ペットボトルがない
どこへいった?

コンビニのチャージカードも紛失
コンビニに忘れている
先にコンビニに急ぐ

なんだか
わけのわからない
お礼を述べ
再び薬局へ

いつもの薬が数えられない

 ごめんなさい
 欝の薬が切れて4日目で
 もう 何がなんだか・・・

 落ち着いてください
 みなさん 同じですよ
 そういう時は 動作をゆっくりと。

ゆっくり ゆっくり
なんども 繰り返し
薬の代金を払う

銀行へ振り込み
6枚のお札が
数えられない
震える

後ろには長蛇の列が
あせる

あぁ・・・
一応 午前の用事は済んだ

あたしは
落ち着くために
昼食の中華店に入った
いつものお店

注文が決まらない
何度も 何度も
お財布を確認する

食べた気がしなかった



欝になって十三年
なんどもこんな思いは
通過してきたつもりだった

もう 薬も3種のみ
カウンセリングだけに
してもらおうかと
申し出ようと思っていた

なのに・・・・


たった4日で廃人同様になった
あたしは
2種類の抗ウツ剤の強さに
愕然となった

風邪が欝を強くしていたのだ
色んな 悪条件が重なった

あの精神的抑圧が
続いていたら
あたしは
まちがいなく
狂いかけただろう

事実この夏
あたしは
家族を心配させるほどの
奇行を繰り返していた

泣いて
わめいて
飲んで
家を飛び出し・・・

狂っていた
狂いかけた脳


あたしは
ゆっくり ゆっくり
家路をたどり

抗ウツ剤を飲み
眠った


自由詩 たった4日で Copyright 森の猫 2010-10-22 01:43:16
notebook Home 戻る