電波
さつき

不可視の波動を遠くへ飛ばす
(波動は見えると彼は云ふ)
石に触れると暖かい
(無機物にこそ宿ると云ふ)
電車は今日も軋んでいる
(ヒトには向かぬと彼は云ふ)
頭上を無尽に飛び交ってゐる
(ヒトには害だと彼は云ふ)
壁に触れるとやや寒い
(人工物には宿らぬやうだ)
地球を見捨てて遠くへ消える
(波動は輝き果てしなく)


自由詩 電波 Copyright さつき 2010-10-21 23:23:14
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