噛んだ皮
花形新次

あなたはもう忘れたかしら
赤いトランクスするする下ろして
あなたの桃色パンティーもするする下ろして
「一緒にいこうね」って、言ったのに
いつも私が、いかされた
余った皮には歯形がついて
小さくなった私の魚肉ソーセージ
普段よりも一層貧弱になって
あなたはとても呆れた感じで
「早すぎるね」って、言ったのよ

若かったあの頃
何も怖くなかった
ただあなたのテクニックが
怖かった

あなたはもう捨てたのかしら
24色のクレパス買って
私が書いたあなたのクレバスの似顔絵
「えーっ、こんなグロテスクなのーっ!」
やっぱり今日も噛んだ皮
4LDKの小さな下宿(バブル期に不動産王だった親父さんにおねだりしたんだったね)
あなたは私の先端見つめ
「悲しすぎるね」って、呟いたのよ

若かったあの頃
何も怖くなかった
ただあなたのテクニックが
怖かった



自由詩 噛んだ皮 Copyright 花形新次 2010-10-17 19:37:27
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
パロディ詩