海物語
朧月

よっつ並んだヨットの四番目って
ふざけてあなたは教えたの
私たちの乗るそれは
秋の光りにぴんぴん尖がって
海からたちあがってみえました

大橋がみえる展望台へ続く山道を登る
山頂まで後10分
書かれた看板はあった

流れる汗をぬぐえない
あなたが背中しか見せないから

黙って後ろを歩きたい
背中がなにかを言いそうだから

ふりむいて
ふりむかないで
私は歩くあなたの後ろ


ヨットの帆はふくらんで
期待をはらんで
あなたはもうふざけない
真剣な眼差しを受けたくて
私はあなたの正面に立つ



自由詩 海物語 Copyright 朧月 2010-10-16 23:38:43
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