あいさつぶん
りこ

腹実る夕暮れと
秋に焼かれる日は
何枚かに下ろされる日です
それは何でもない日のことらしいです

南下してきた陳列を
剥ぎ取ってしまえば
口口に言う
あの子の脚は
絶妙なのだと

青い背中が愛おしい
白い腹が愛おしい

自らの欲望を押し付けて言う
あの子のからだは
絶妙なのだと
そのダツ目に
睨まれたいのだと

秋に溺れる人を
皿の上から見下す
あの子は
体勢を整える
富ます食膳

口腹してご覧
顎が笑った
けぶったあの子
焦がれたあの子
すてきなあの子

気を付け
のポオズは
ただの秋でした

どうぞ飲み込まれて下さい

秋を噛む
あの子を召す
咀嚼する
感嘆文がこぼれる

始めましょう/終わりましょう

腹部を賑わす何でもない行事に
さあほら、
挨拶を述べなさい
よくばりなにんげんさま


自由詩 あいさつぶん Copyright りこ 2010-10-16 23:00:09
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