かがり火
アラガイs



野分も過ぎれば
盆水は枯れ
鬼灯なる火祭り朧
無月に揺れた
石蕗が送り火
窓/渋柿に染まり
偲ぶ風花
季節は移ろい
滞るままに
連おもう携帯の

いつか
あの山の向こう
この海の果てで
だれかが暮らし
川は流れ
韻に流れて
よるべなき道

(燃えつきてなお
喩のようにいき
比喩のように
朽ちてゆく
のか)

冬野を待つ
干し草の
松明よ
篝火に
(散
)れ
そして
露と
椋鳥の
(壼)
一遍の詩も
残りはしない









自由詩 かがり火 Copyright アラガイs 2010-10-15 02:41:50
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