かなしみの夜
瀬崎 虎彦
かなしみの夜に
貝殻の雨が降る
わたしのように繊細では
とても生きていけないとおもっていたのに
ちゃんと生きてこれて
今日も生きています
いろいろなことに感謝しています
かなしいことにも感謝しています
誰かにケアされる能力を
誰かに大事にされる能力を
欠如させたままだったのに
生まれてちゃんとここまで歩いて
あなたはここにいるのだと
わたしがいって聞かせる夜
自由詩
かなしみの夜
Copyright
瀬崎 虎彦
2010-10-14 00:04:15