メディウム 2
真島正人


照準を定められて
打ち出されていく……
日々
同じ筒に入れられ
あの遠い高台へと
打ち込まれていく
体中に砂が詰まっている
目が見えない
視界が充血している

人魚たちの踊りが
丘の上で行われている
供物が必要らしい
捕らえられ
もがき
それでもゆでられ
媒介質へと変化していく
はかない時間を使って
いびきをかく
盛大に
盛大に……

壊れかけの映画館
郊外の秘密
うずたかく
暗闇の中に詰まれた
フィルム片が
「性感帯」へと変わるとき
寒い土地に風が吹くだろう
もっと寒い風
肌が切れるような
ナイフみたいに尖った風

よせよせ!
嫉妬なんてみっともないぞ!


自由詩 メディウム 2 Copyright 真島正人 2010-10-11 22:35:06
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