天球虫
佐藤伊織

明滅する夜空に太陽のような火が昇った
もはや目が見えないと慌てて走リ去る群集
蛍光の月に半透明の幕が降りた

足が長すぎて折れてしまった虫の
羽がむしられていく

明滅する夜空に舞うために



自由詩 天球虫 Copyright 佐藤伊織 2010-10-09 00:23:41
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奇妙詩集