庭の山々
朧月

植木鉢が並べられていた
山もみじとかかれていた
老人はそこに山をみていた

枯れ葉が舞う小道は
細い光りが差し込んで
枝に小さな動物を遊ばせて自然は呼吸する

はせる想いで薄くなる瞳で
なにも言わない瞳はどこをみてるの?
いつをみてるの

山もみじは
細った幹と細った葉
老人は植木鉢をみながらみていない

目の前の私のことも
空気中に解き放つ
いさせて
あなたのこんなにも近くに
いるのに 話してるのに
いない
私という存在

並んだ植木鉢
そこには
山があった



自由詩 庭の山々 Copyright 朧月 2010-10-06 17:06:18
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