虚の場所、詩という核
るか

虚の場所
 


                  こくりこと 霊。

(青空、)
墜落が 必然であった か
錐揉み乍ら 再考している…


(集落、の)
仮構された 中心の 近傍に穿たれた、虚の場所の 規模をはかる 仕草から、開始しなくては ならない筈で あったろう
人称の彼岸で
いかなる抒情をも 批判してやまない きみの 最期がしるした 苛烈な 打鍵。
空も海も 深い青さにおいて 共鳴していた 
 

絶え て は ならない 


青空の下 近傍の虚は 偏差において 赫々と その支配域を 拡大し、
一羽は墜落し、
一羽は遠く 空転を
最加速させ
産み落とす


此岸では 肉と草ばかりが 微かに震え、


真夏の一刻   
(傾斜する光、)
息、横臥して


隠微な 草叢の なかで、
神話の柩は 開いた、
横たわる 白い横顔、あかい唇
また一人、去っていく者の、堅い靴音。
その時刻、 
慰霊すべき霊を 魂は 持ちえていた か。
慎重に、計測せよ。
虚の場所を いろどる けしの花の匂い へ
周到に 警戒を 。


 ほさな、ほさな。


(真空の 密室では、)
肉片は 断片化を 反復し、
痙攣する、いくつもの魂 が、たえがたい虚を、白い歯を モニターに 相互映写する。
「主題的な 虚を、更に 増殖させなさい」
分割し、捩じり、金切り声を上げて、「抵抗」を、持続する
苦い草の茎を折り、「ポエジー」の 反復される不履行について、間断なく糾弾する、やわらかな 幼体群よ
雑感し 所感せよ
プネウマ 再ー縫合のために。


(ほさな、)
反ー園における 疎通の作法について、余白のポエジーは、
今 開口しなくてはならない。
孤立した 集落の 中心を探して、「私」は
立ち尽くして いた。
襞をなす あおい風は 複数の来歴を 有していたが、
野鳥が
囀って示す
逸話には 頑是なく 耳を塞いだ、
祭壇には
(風の経緯を歌った女の、毛髪が 遺されている、)


青々と焼かれる草のなかで、
聖所に掲げられた
皮膜は裂け、
精妙な韻律の 欠落した 増殖する断片が、
今日も
白昼の侵犯を
辛うじて
告発している。
虚の数値を しるせ、 


ほさな ほさな、ほさな。
集落を抜け、
風がやすむ丘に
たって
望む
豊穣なる仮構の 抽象性の市の広がり
その境域に
霊 と 虚 との 痕跡 に、
人は
立ち 尽くし。 おお
ほさな。 (すえた 火薬の匂いが する、)


不在
の裂傷から
猶 斜光する
沈黙よ 我々を
呼べ







自由詩 虚の場所、詩という核 Copyright るか 2010-10-02 10:30:47
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