フラッグ
umineko
私は想う
あなたと出会う
その事実を
あなたの意味を
これから
私は失っていく
例えば友を
痛みを
そのとき
私が還れるために
北極点のすがしさで
あなたが
たとえば
カフェの片隅で
公園通りの
枯れたベンチで
あなたが今日も戦っている
その事実を
私は
今日もまぶしく想う
私は
あとどれほどのことばを遺し
死んでいくんだろう
届かない
闇に投げた
麦わら帽子も
蝉の声も
あなたは
ただ消えていく私の声に
耳をほどいてくれるだろうか
それとも
あなたはあなたのままで
夜にたなびく
道標として