朝が晴れている
塩崎みあき


ではなく
貯水池
だけれども
凍てた閃光が
ホテイアオイの
固い結びを
解いてしまい
水辺
の朝は
心を痛めている

木々は影を
濃く
長く
落とす
けれども
それは
山の稜線の
頬ずり
でもあるので
シラサギが
いつも
同じ
場所に
佇むごとに
ホーローの
中の
うずら豆を想った

青灰色は
美しすぎるけれど
こんなにも
まぶしい
朝のおとづれ

物質
という名の
棲み処が
これから続く
貧しい
日々に
ひと椀の静謐な

を呉れる

生活

水耕栽培の
根なのです

水は
呼ぶ
黄泉から
閃光の
ネガ
という
プロフィルを
呟くように
そうして
声が
小さくなるに連れ
マグネシウムの
激しさで
朝が弾け出す


自由詩 朝が晴れている Copyright 塩崎みあき 2010-09-27 18:17:25
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