反響音
塩崎みあき

午後3時

熱い風の中で
詩を読んでいた

ベランダ
僅かな波の音
カモメの声
が途切れる
その向こうに蝉がいた

部屋は暗かった
出かける準備を
しなければならなかった
ので
焦っていた

大きな車のエンジン音

にわかに
虫がクルクルと
鳴いて
静まった

熱い風の中だった


自由詩 反響音 Copyright 塩崎みあき 2010-09-26 00:00:41
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