目撃したもの 光
砂木



こんな事を言うと変に思われると思い言っていないものに
光があります。毎朝 神棚と仏壇にお水やご飯を供える
特別な宗教などはやっていない そんな私ですが。
まだ独身の頃 冬の夜でした。
こたつでうとうとしていたら 呼ばれているそんな気がしたのです。
豪雪地帯 雪が積もっています。
玄関から外へ出ましたが その時は たまたま道路の地面が
見えていました。畑や道の両側には 雪の壁ができています。
なんだろうと思いつつ家の前の 雪のない道脇に佇むと
地面から光が 上に向かって噴出したのです。
わけがわからないけれど ぼーっとみていると
光は高く昇り 翼のような形になりました。
光の翼が はためきながら静止しました。
思わず 私は両手をのばしその光と対峙しました。
自分が光をあびたのかどうかわからないけれど それは自然に消えました。
寒いといったら本当に寒い厳寒の中 家に戻り私は考えました。
家族に 光がね と言ったところで 馬鹿にされるだけだし
他人に言っても変人扱いされ気味悪がられるだけだし黙っておこう。
あれから二十年たちました。 四十半ばにもなり 変人にみられても
諦めがつくよなあと思ったりして書いてみます。
宗教の勧誘などはしていません。不思議な自然現象を書いてみようと
ただそれだけですが 生きていると黙っていようと思ったことも
言いたくなってくるものだなあと苦笑しつつ。
拙文におつきあいいただきありがとうございます。光あれ。


散文(批評随筆小説等) 目撃したもの 光 Copyright 砂木 2010-09-23 10:25:49
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