チューニング
Giton
ぼくの壊れた心のなかで
きみが音の出ないハーモニカを吹いている
空き家の隅に捨てられていた
埃まみれのギターをチューニングしたら
きみはあしたの曙光に歌を返すだろうか
悪いふりをすればするほど可愛いんだ ほらね?
きみの尖った唇が少し また少し 開いて来るとき
きみの薔薇の白い蕾が赤く色づくとき
(もう呼吸が苦しいのか?…)
もう逝くとき
散る前に、ぼくの風船をふくらましてごらん?
(窓の外で揺れる百日紅…)
きみに、ぼく専用のスイッチをつけてあげようか?
自由詩
チューニング
Copyright
Giton
2010-09-22 06:24:11