休刊少年ジャンプ
イシダユーリ

子どもが18人います

一日に3人殺します

何日で殺せるでしょう

生き死にの話をするとひとが立ち止まる

がちゃがちゃ 

誰かが

わたしの筋に刃をいれて

筋とりをする

やわらかくなあれ

やわらかくなあれ

おいしくなあれ

からっとあがれ

たべものができあがる

あたたかいうちに

けれど

さめてもおいしいよ

何日で殺せるでしょう

そうだった

主語がないのだった

そうだった

彼は考えている

とても賢く見える方法を

いつも失敗する

社会に布を何枚もまきつけて

殴るようなことしか

言えないのだった

ひとの集合体であるところの

彼は思っている

わかってない

わかってない

を熟成させろ

わかってない

わかってない

口の端から

食べこぼす

日曜日には眠りましょう

月 火 水 木 金 土

泥ぶつけ

創作ダンス

キャンプファイア

消火訓練

バザー

マット運動

わたしの小学校はそんなに透明な暗さではなかった

クリーム色だった

薄汚れていた

主語がないのだった

強い筋をもっていなかった

筋をきらなくても

よかった

けれど

おまじないをする

子どもはいなかったから

子どもは死ななかった

食べ物を

ふりまわして

怪我をする

わたしたちは

みんな

しわだらけだ

おいしくなあれ

おいしくなあれ

やわらかくなあれ

やわらかくなあれ

からっとあがれ

3年1組のみなさん

あなたたちぜんいん

どこそこの部族から

連れてこられたんですから

はら から

て を いれられて

ほね とりだして

そこに きざんである

ママ パパ の

なまえ を 

おしえてもらって ください

月曜日には おどりましょう

まばたきを しなくても

もう 目も

頭も 関節も

どこも いたみませんね

ママ パパ

わたしの

わかってないは

ぶぶんてきに しんせんです

そこの ほうは

くさっています

もっと そこの ほうは

つめたくなっています

そこ ここ

がちゃ がちゃ


自由詩 休刊少年ジャンプ Copyright イシダユーリ 2010-09-20 20:38:39
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