窓の向こうの海
真島正人



窓の向こうの海の
歌声が聞こえる
「さようなら。ありがとう。たのしかったよ」
いつも同じような
終わりの匂いを含ませた
詩をメロディーに携えて
窓の向こうの海の
歌声が聞こえる

歌声は君
君の母親
君の母親の血を分けた人

いま、
窓に海の雫が
うちつけられた
凍えそう
震えてるよって
雫は
涙に似ている

僕は部屋の中で
ゆっくりと
セーターを編んで

君に逢いにいける日を待ってる。


自由詩 窓の向こうの海 Copyright 真島正人 2010-09-20 13:58:00
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