夜蜘蛛
アラガイs


大きな虫は苦手だ。
特にそれが夜中なら

空も白む
頃は5時30分
台所で小さな音に汗がひいた
見れば全身10センチ以上はあろうかと思われる手足の長い蜘蛛が壁のコーナーにへばりついていた。
ゆっくり殺虫剤を取りにゆく。新聞紙を硬く丸める。殺虫剤をかけたところで一度めは取り逃がす。恐る恐る探すが姿はなかった。しばらくして、ふと見上げた反対側の額縁の縁に現れていた。再度新聞紙を硬く丸める。もう少し強力な殺虫剤を手にする。椅子に上がり慎重に近づいて狙いを定める。バシッ!蜘蛛は冷蔵庫の隙間に転落した。殺虫剤を目一杯吹きつける。まだ動いていた。壁にぐったりとへばりつく大蜘蛛を慎重に新聞紙で一撃する。蜘蛛は仰向けになって床に落ち、その上から何度も叩きつけた。殺虫剤を吹き続ける(う〜苦しい〜喉が痛い)
そして二度の格闘の末にようやく蜘蛛は動かなくなった。

しかしこんなに大きい奴を部屋で見たのははじめてだ。
夜蜘蛛は親の仇か それとも
ひょっとしたら誰かの‥‥
殺したあとにふと考える
虫の知らせ?
過去、虫の知らせには 何故か予感が あたってしまうのだ。 あー イヤだ イヤだ 。

ひょっとしたら虫の使い?
今年になって 身近な人間が二人亡くなっている。

哀れ、打ち殺されて縮んだ大蜘蛛よ
けれど大きな虫を見れば
どうしても気にはなってくる 。






自由詩 夜蜘蛛 Copyright アラガイs 2010-09-20 06:44:54
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