旗のもとで、
月乃助
革命的な言葉を口にしながら
麦わら帽子の海賊たちが船出する
追い風 あふれる秋色の陽光
夏をふりかえらない はしゃぎ声に
バルーンの剣を空に 掲げ、
略奪のためでも
自己の利益のためでもなく
この地球の平和のために
宝物をさがしにいく
プラムの古木の
怪物たちが襲ってこようとも
シャボン玉の大砲をとばしては、君たちはそれを
追いかけるのに忙しい
芝生の大海原を走り回る子たちは、いつか
大人など入り込めぬ 夢の国に漂着して
本当に宝の箱を見つけだした
髑髏の旗のもと 女は、
一ポンド88セントのマッキントッシュを不器用にむきながら
なんでもない今日が なんでもない明日を連れてくるのだと
そんなことを想っている
夜
疲れきった至福の 寝顔に
差し出される 宝物に気づけば
今日、君たちがちゃんとこの地球を救ったことを 知らされる
きっと それは、明日も
そして いつまでも